竹山がすれ違

後半０分、キヤノンは敵陣２２メートル手前左のスクラムから右順目を攻めた３フェーズ目、ブルースが左へ向き直って隅に待つトムソンにサイドチェンジのキックパスを蹴った。サントリー戦でまんまと成功した手口だったが、ボールはタッチへ。６分、キヤノンはハーフウェイ過ぎ右のスクラムからショートサイドの８－９、福居がドコモを２２メートル手前へ後退させるグラバーのタッチキックを蹴った。このキックがのちに影響を与えることになる。ドコモはラインアウトの２次、フィルヨーンにテリトリーキックを蹴らせるべく、辻埜が後方へパス。ところが指に引っかかりすぎたのかフィルヨーンの頭上を越す暴投、ボールはデッドボールラインを割った。残り５メートル右でスクラムを得たキャノンは一気に押し込み、プッシュオーバートライを狙う。菊谷のグラウディングは認められなかったが、ヘッドアップのアドバンテージがあった。８分、キヤノンはスクラムを選択。またもコラプシングがあり、再びスクラムを選択した。今度も狙いはプッシュオーバートライ。ドコモは耐えきれずに崩してしまう。１０分、レフリーがペナルティトライを宣告。コンバージョンも決まり、１４×５、キヤノンのリードが広がった。

　しかしドコモは食い下がってきた。１８分、スクラムのＦＫを速攻。３次に９－１０－１９－５－７と右へ展開、フィルヨーンの２人を飛ばしたフラットパスをキャッチした途中出場の№８（のちにＦＬ）ハインリッヒ・ブルソーのオフロードパスが効いて、敵陣２２メートル内へ。５フェーズ後、辻埜が空いていた左サイドを突破し、左中間へトライ。コンバージョンは不成功に終わったものの、４点ビハインドとした。３次の流れるような右展開でスペースを衝かれたキヤノンは以降の防御が後追いとなり、トライの前フェーズで佐藤大が左サイドを突いたときに、すでに立ち遅れていた。ドコモが試合開始直後から試みていたテンポの早いパス回しでディフェンスを切るアタックが、ようやくノーミスでフィニッシュに至ったが、キヤノンはほどなく取り返す。２１分、菊谷のキックカウンターを皮切りに連続攻撃。４フェーズ目、ピッチ左のラックから９－１０－７と浅いラインの右展開。ブルースのパスの受け手が複数いて、ドコモは右ＦＬ竹山浩史の外にいたトムソンに寄ってしまった。２１分、竹山がすれ違いで裏へ抜け、左ショートサイドへパスを放す。４－１５とつなぎ、森谷が追いすがる途中出場のＨＯ緑川昌樹を振り切り、才口の追尾タックルを受けながら左隅へトライ。１９×１０とした。

　２４分から２７分にかけて、キヤノンは敵陣１０メートルと２２メートルのあいだのラインアウトを起点に一方的な攻め。５次に三友が左へロングパスを投じ、５－８とつないで右へリターン、右ＬＯ宇佐美和彦が残り５メートルまで肉薄。一時、ハンドリングエラーでドコモボールとなったものの、ランで勝負した才口が左へ放したパスをもらった辻埜にブルースがタックル。敵陣１０メートルでターンオーバーした直後の右展開は、ドコモのディフェンスが統率を欠いて凸凹、ビッグゲインのチャンスだった。しかしドコモは、パエアが福居に全身を浴びせるタックル。後続が襲いかかってハンドの反則を誘い、敵陣２２メートルへ進出した。モールを手始めに近場勝負。２９分、オフサイドのＰＫを速攻し、チャンネル０に拘った５フェーズ目、モールを組もうとする。ところが、アクシデンタルオフサイド。以後もハンドリングエラーやキックキャッチでタッチへ出される等、流れが途絶えがちな展開だったドコモは３８分、自陣２２メートルと１０メートルのあいだ右のスクラムから左へ振った際にもミスが出る。２０－９－１３－２２、パエアのカットパスをもらった途中出場の右ＣＴＢヨハン・サディーが前進したところまではよかったが、ＳＯに入っていたマイケル・ボンドに止められたラックで、サポートに加わった選手（清瀬か佐藤大のどちらか）の足にボールが当たり、キヤノン側へこぼれ出た。菊谷がボールを拾ったキヤノンは９－１３－２２と右ショートサイドへ回して仕留める。ファーストレシーバーのベネットが内へ切れ込み、外に２人が並ぶスペースを拵えてオーバーラップ。ボンドが右隅へ。４トライ目となり、ボーナスポイントをゲットした。ゴールは外れ、２４×１０。７点差以内の負けに与えられるルーズポイント獲得の可能性が残されたドコモは、リスタートを宇佐美がキャッチミスしたことによりマイボール。敵陣で攻撃権を得て意地のトライを目指す。しかし４０分、ハーフを引っぱるプロフェッショナルファールのＰＫを速攻した２次、左チャンネル１、途中出場の№８イオンギ譲が菊谷と宇佐美に抱えられてモールアンプレイヤブル。５連敗を喫し、セカンドステージのグループＢ行きが決定した。キヤノンは果敢に攻めたドコモに手を焼きながらも勝ち点５をゲット。４位をキープした。Flowee''space
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