大勢の賄い料
「卯之吉、おふくろさんを負ぶって行け、わいはお宇佐さんを負ぶって行
脫髮
く」
「何処へ?」
「わいの命の恩人、緒方三太郎はんのところや」
「親分は、おふくろを背負ってくだせえ、あっしは妹を背負います」
「それはまた何んでや
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」
「親分はスケベですから…」
「こんな気忙しいおりに、なにを暢気なことをゆうとるのや」
「お宇佐、亥之吉親分にはなあ、若くて綺麗な奥さんが居なさるのだ」
「この際、そんなことは関係ないやろ」
「からだをくっつけあって、お宇佐が惚れちまったらいけませんから…」
「こいつ、絶対どつく(殴る)、わいの楽しみ奪いやがってからに」
「それ見なさい」
お宇佐が突然泣き止んで亥之吉に言った。
「わたし、歩けます」
「三太、来ておくれ」
江戸は福島屋の女将、お絹が三太を呼んだ。
「へえ、何の御用だすか?」
「大江戸一家まで、ご注文の塩を届けてきなはれ」
「へーい、行って参ります」
「これ、何も持たずに行くつもりか?」
「そうだした」
「担げるようにしてありますから、子供でも持ち上がります」
「うわぁ重たい、こんなにたくさんの塩を何に使いますのやろ」
「そら、お清めに使ったり、大勢の賄い料理に…、そんなことどうでも宜しい」
「へい、行ってきます」
「荷を渡したら、さっさと寄り道せんと戻ってきなはれや」
「そやかて、わい文無しで、何処へも寄り道するとこあらしまへん
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「帰りは御代を頂戴するやないか、愚図愚図言わんと、早う行きなはれ」
「そんなー、わいがお店の金を横領すると思うてなさるのか」
三太は、ぶつくさとぼやきながら出て行った。
「からの大きな真吉はんに頼めばええのに」
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